泰然と初陣に備える。侍ジャパンは26日、強化合宿を行っていた仙台から、開幕戦となる28日の1次リーグ・ドミニカ共和国戦が行われる福島へ移動した。27日はプレー経験の少ない、あづま球場での貴重な公式練習だが台風8号が接近。暴風雨が予想され、予定通りの練習は難しそうだ。

稲葉篤紀監督(48)は約2年前に2軍戦を視察したが、選手はほぼ初体験。「人工芝で打球の速度が変わる。内野手はせかされてしまうので気をつけないと。雨によってボールもスリップする。そういうところも含めて本当は確認したい」と話した。もちろん、お天道様に文句を言うつもりはない。「雨になったらブルペンでバッティング練習ができる。あとは外野のフェンスや芝の状態を、雨の状態を見ながら確認できたらいい」と可能な範囲で最善を尽くす。

決戦開始の空気を少しずつ感じてきている。バスで福島入りし、球場近くで五輪IDを受け取った。「いろんなボランティアさん、五輪関係者がたくさんいて、セキュリティーもしっかりしていて『いよいよ大会、始まるな』と」。仙台では宿泊先ホテルの総料理長、パティシエから「熱い夏を楽しみにしております」と、メッセージ付きのチョコレート細工を受け取った。五輪本番は無観客も、仙台の強化試合2戦で金メダルを夢見る計2万7000人が集った。

「みなさんの思いは、すごく伝わった。支えてくれた方たちの分まで、しっかりと戦わなくてはいけないという強い気持ちになった」。最高系のメダルで還元する。【広重竜太郎】