上野由岐子投手は将来、引退したら絶対に実現したいことがある。「スカイダイビングやりたいんです。空の上から飛び降りる経験をしたい。バンジーもやってみたい」。

過去には競技以外で選手生命の危機を迎えた経験がある。福岡・九州女子高(現福岡大若葉)2年時。体育の授業で高跳びをしたところ、着地場所にマットがなく、腰椎を骨折。医師からは「数ミリずれていたら半身不随だった」とも言われた。代表候補だった00年シドニー五輪も外れ、3カ月の入院生活。人前で泣くのが嫌いだった少女は深夜、看護師の前で涙した。

アスリートは体が資本。「空の上から飛び降りる」のは、けがをしたら大変なことになると身を持って知ることになるので、現役中はしないと決めている。その願望はストイックゆえのものでもある。【上田悠太】