東京五輪ソフトボール日本代表の金メダル獲得から一夜明けた28日、4番を務めた山本優(32、ビックカメラ高崎)の母校、当別高校も祝福ムードに包まれた。山本が日本代表に選ばれた4月に横断幕を設置、後輩たちが書き込んだ応援メッセージに、金メダルの報も加わった。

宮本匠校長(58)は「ドキドキしながら観戦していました。ケガなどの苦労を乗り越えての金メダル獲得に、勇気をもらいました」と喜んだ。同校ソフトボール部は全国大会に出場するほどの強豪だったが、部員不足で3年前に廃部になった。宮本校長は「廃部は残念ですが、卒業生がこうして活躍してくれるのはうれしいこと。生徒には、何事も努力を重ねて成果が表れるということを、実感してもらいたい」と話した。

喜びは町にも広がった。当別町ソフトボール協会の岸田良夫会長(80)は「全日本で4番を打つというのはすごい」と声を弾ませた。岸田会長は3年前まで審判として活動しており、高校時代の山本の試合も数多く担当した。「当時から集中力、身体能力などずばぬけて目立っていた」と懐かしんだ。ソフトボールが盛んだった町も現在は目立った活動はなく、「ぜひ当別町にもまたお越しいただいて、盛り上げてくれたら」と凱旋(がいせん)を心待ちにした。【小林憲治】

○…当別高3年時の山本を指導した鎌田英樹教諭(58、現札幌東陵高)は、教え子の金メダル獲得に「何回もケガなどから立ち直って、よく頑張ったと思います。人生のいい思い出になった」と祝福した。ソフトボールの競技人口は減少しつつある。「メダリストとして、体験談などを講演してもらって、ソフトボールに関心を持つ子を増やしてほしい」と話した。

○…ソフトボール日本女子リーグ北海道大会が9月11、12日、旭川市東光スポーツ公園で行われる。山本、上野らが所属するビックカメラ高崎など4チームが参戦し、金メダルメンバーの出場が見込まれる。前売り券を販売する旭川市商工会議所ではこの日、一般からの問い合わせなどはなかったが、担当者は「金メダルがいいタイミングになりました。注目されるでしょうし、これから周知していきたいですね」と話していた。