侍ジャパン稲葉篤紀監督(48)は、開幕戦のドミニカ共和国戦勝利「福島の奇跡」から一夜明けた29日、オンラインで取材対応した。バブル方式のため試合後は福島からの長距離バス移動で横浜入り。劇的勝利に重圧からは少し解放されたが、脳内の思考は止まらなかった。「私自身の反省点が多い試合だった。選手に助けられた試合で、いろんな場面を振り返りながらコーチとも話したし、反省点を考えながらずっと過ごしていた」。継投、攻撃の作戦の選択。考えを巡らせ続けた。

過程の反省は必要だが、結果は最良だった。勢いという推進力が生まれ、6回88球で降板の山本にも余力は残された。「本当はもっといい勝ち方をしたかったが、選手が最後に粘ってサヨナラ勝ちに結びつけられた。チームにとって一つなっていく勝ち方だったと思う」とキーワードに掲げる結束を実感した。

8月7日の栄光へ切り替える。この日は横浜スタジアムでナイターで行われる韓国-イスラエル戦を視察する予定を明かした。コロナ禍で他国の代表戦視察を行えなかったが、現状把握に努める。特に宿命のライバル韓国は「若いメンバーも増え、どういう野球をするチームなのか1度、生で見ておきたかった」と全体像をつかむ。

1次リーグ2戦目のメキシコ戦を31日に控える。「ドミニカと似たようなチームかなと。経験ある打者がいてパワーがある。投手も台湾で投げている左の投手(バニュエロス)がいるが、メルセデスのような感じで、この投手が(先発で)来るのでは」。次戦で勝利し、1位通過を決める。【広重竜太郎】