ミスターが五輪野球に帰ってきた。開会式で聖火ランナーを務めた長嶋茂雄氏(85=巨人終身名誉監督)が侍ジャパン-メキシコ戦を視察。横浜スタジアムのバックネット裏で1次リーグの1位通過が決まった瞬間を見届けた。

17年前、日の丸を背負い、ベンチに座るはずだった。04年アテネ五輪の代表監督として悲願の金メダルへ導く半ばで、脳梗塞に倒れた。その後もリハビリを続け、積極的に球場に足を運び、生の野球に触れてきた。16年に東京五輪での種目復活が決まった時には「侍ジャパンの精鋭たちが日の丸の旗の下に集い、世界と戦う姿をこの日本で観戦し、国民のみなさまと感動を分かち合えるのだと思うと、今から待ち遠しくてたまりません」とコメント。この日を切望していた。

開会式では王貞治氏、松井秀喜氏とともに懸命な歩みで聖火をつなぎ、日本に感動を呼んだ。感動のリレーを愛する野球の金メダル獲得に託す。