米国帰りのマー君が米国を倒す。侍ジャパン田中将大投手(32)が2日の決勝トーナメント初戦となる準々決勝の米国戦(横浜スタジアム、午後7時開始予定)に先発する。

08年北京五輪3位決定戦で敗れた宿敵。北京は現役だった稲葉監督とともに代表入りしており、今回では当時を知る唯一のメンバーだ。侍エースが“ホーム”で13年前のリベンジを果たし、4日の準決勝進出を決める。

    ◇    ◇    ◇

日の丸を背負ったマー君がガチンコで挑む。東京五輪初登板を前に都内の大田スタジアムで最終調整。準決勝進出をかけるマウンドに向け「楽しみなんてないですよ。国を背負って戦うわけなので。自分のやるべきことやって、自分の力を出し切って。最後までベストを尽くしたい」と鋭い眼光で言った。

昨季まで主戦場だった米国が対戦相手となる。打線の主軸を担う現DeNAオースティン、救援右腕ロバートソンはヤンキース時代の同僚。「チームメートだった選手とか、投手、野手両方いますけど、そんなことはもう、楽しむとかそういう状況ではない」と倒すことだけに集中する。

13年前の雪辱も胸に秘める。当時19歳で出場した08年北京五輪は1次リーグで3試合に登板。計7回を被安打3、無失点も、3位決定戦で米国に敗れてメダル獲得を逃した。「最年少でついていくだけで精いっぱいだった部分があったけど、メダルを取れなくて、悔しい思いはありました」とリベンジの舞台にもなる。

チーム勝敗によって登板日が直前まで確定しない異例の調整は経験則でカバーする。「チームが勝って(8月)2日のゲームがあるということがベストですけど。最悪のことを考えてやらないといけなかったので。1日と思っていて2日というが簡単。1日に合わせて調整していました」。結果的には2回2/3を無失点に抑えた7月25日の強化試合から中7日でマウンドに上がる。侍エースが満を持して今大会初登板に臨む。【為田聡史】