甲斐拓也捕手(28)が試合を決めた。タイブレークの10回1死二、三塁、サヨナラのチャンス。初球のスライダーを捉え右翼フェンスにぶち当てるサヨナラ打。「(アメリカの)外野手が1人内野に来て、いろいろ考えられる状況だった。1度頭の整理をしっかりして、稲葉監督の話を聞いて。しっかり初球から振っていこうと。その結果がああいう結果になった」と殊勲のサヨナラ打を振り返った。

ここまで2試合は先発マスクをかぶってきたが、この日はベンチスタート。9回の守備からマスクをかぶると、タイブレークの10回、栗林とのバッテリーで無失点に切り抜け、サヨナラ勝ちにつなげた。「(10回を)ゼロに抑えたことが勝ちにつながったと思う。(栗林は)初球からしっかりと自分の球を投げてきた。良い球を投げた結果。本当にナイスピッチングだったと思います」と守護神を絶賛した。

金メダルまではあと2つ。「まだ試合はある。金メダルを取るためにやっている。そこまでは毎日が切り替え。今日は今日で、また準備をしっかりとやっていきたい」と劇的な勝利にも気を引き締めた。

◆日本代表のタイブレーク 主要国際大会では今回が3度目。08年北京五輪1次リーグの米国戦では、0-0で延長に突入し、延長11回から実施。先攻の米国が岩瀬から3連打などで4得点。日本は3番青木からの攻撃が2点止まりで2-4で敗れた。17年WBC2次ラウンドのオランダ戦は、6-6で延長に入り、延長11回から実施。先攻の日本が中田の2点適時打で勝ち越すと、牧田がオランダの攻撃を3者凡退に抑え、8-6で逃げ切った。

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