侍ジャパンが、悲願の金メダルに王手をかけた。宿敵韓国を5-2で下し、銀メダルを獲得した96年アトランタ大会以来、25年ぶりの決勝進出を決めた。

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稲葉監督の一問一答

-試合を追うごとにチームの成熟度が増している

1試合ごとにだんだん「結束」が高まってきている。やっぱり最初はみんな少し遠慮する部分もあるし、勝っていく中で、チーム力が上がっていくと思う。プレミア12は少しチームづくりをする時間はあったが、今回は選手がこの短い中で何とかチームを作ろうというのがすごく見えている。

-田中将が韓国戦前に声出しで盛り上げた

最初のころはマー君のオーラ、存在感が非常に大きかったが、勇人もうまくそこを溶け込ませてくれた。将大も何とかチームのためにという思いで、選手に声をかけてくれたり、段々、若い選手も話しかけやすくなった。昨日の声出しは差されて「何言おう!」って(笑い)。ああいうところでもチームが1つになる。

-栗林が守護神で2勝2セーブと活躍しているが、自然と形ができてきた

ある程度、構想は持ちながら入った大会だったが、今のところ理想通りの展開にはなっていると思う。

-決勝の9回も栗林が投げるのが理想

もちろんそういう継投になっていくと思うし、最後は本当に全員投げてもらうぐらいの継投をこちらも描いている。選手もそれを理解してくれていると思う。

-打線の骨格は変わらない

今回の打線はわりかし機能はしている。調子いい悪いは出てくるし、野手は13人の中でやらなければいけない。なかなか打線をたくさんいじってとか、調子が悪いから代えるとかできない中で、最初決めた打順がすごく機能している。今のところ変える必要はないのかなと思っている。

-甲斐の引っ張る意識などの変化は

今回が一番、拓也が自分がやらなければいけないという強い気持ちを持って臨んでくれているなと感じる。翼(会沢)がケガをしてしまったのもあったのではないかなと。私は4年間、代表にずっと呼ばせていただいたが、一番責任感を持って、自分が引っ張るんだと強い気持ちを持って入ってくれたなと感じる。

-北京五輪で選手として経験し、今回は監督として五輪に挑み、一番感じているプレッシャーの違いは

もちろん選手と監督という立場は大きく違うと思う。監督という立場はチームをどうやって勝ちにつなげていくか、野手も投手もいろんなことを考えて臨まないといけない。この大きな違いの中で選手たちをどうやって1つにまとめて、どうやって普段通りのプレーをしてもらえるかを僕自身もすごく考えながらやっている。今、試合をやっていく中で「あぁ、星野監督、北京のときはこういう気持ちだったんだな」とか、すごく分かった。オリンピックの気持ちは、プレミア12とまたちょっと違う気持ちにもなる。また、当時はコーチも監督含めて4人しかいなかった。今回はコーチが私を入れて6人は入れた。(星野監督は)いろんなことを見なければいけない、決めなければいけない、やらなきゃいけないというところで非常に苦労されたのかなと思います。