侍ジャパン森下暢仁投手(23)が金メダルの重圧に打ち勝ち、先発の大役を全うした。5回3安打無失点、5奪三振の好投。150キロを超える直球とカーブ、カットボールなどを織り交ぜる丁寧な投球で米国打線を翻弄(ほんろう)した。

「立ち上がりをうまく入れて本当によかったです。その後、村上選手がホームランを打ってくれたので、0点で抑えたい気持ちで投げました。前回登板同様に緊張しましたが、(試合前)セレモニーのマーチングの方を見て、出演される方々も緊張しているのだろうと思うと、少し気持ちが楽になりました」と振り返った。

最大のピンチも粘りを見せて乗り切った。5回2死無走者から安打と死球で一、二塁とされ、1番アルバレスを迎えた場面。フルカウントまで持ち込まれたが、最後は遊ゴロに打ち取り、笑顔でベンチへ引き揚げた。

米国の得点源となる2人の強打者も完璧に封じた。今大会好調のDeNA所属の2番オースティン、8打点をマークしている3番カサスをともに2打数無安打に抑えて、相手打線をしっかり分断。決勝戦というプレッシャーをはねのけて試合をつくり、リリーフ陣に後を託した。