アルゼンチンは41歳のスコラ中心で、スピードが落ちた第2Qがチャンスだったが、そこで2点しか詰められなかったのがもったいなかった。第3Qで一時4点差に詰め寄ったが、3点シュートを連続で決められ、点差を広げられてしまった。206センチのエドワーズが欠場したため、第2戦で34点取った八村へのマークが厳しくなり、インサイドの選手のローテーションが難しくなった。

アルゼンチンは、日本がギアを上げられないようにゲームをコントロールした。第1Qから流れるようなパスで内、外と振り回して翻弄(ほんろう)。スコラのような代表経験の長い選手たちがいるからこそ生まれるもので、日本にはそれがなかなかできなかった。

19年W杯と同じく全敗だったが、その時とは全然違う。八村、渡辺、馬場がしっかり基盤となり、06年W杯では約50点差だったスペインに11点差に迫った。3人を生かすため、今後はルビオ(スペイン)やドンチッチ(スロベニア)のような独創性があり、サイズの大きいゲームメーカーが出てくれば、日本はもっと成長すると思う。

今回対戦した国は長い歴史の中でチームが作られてきた。ラマス監督は17年に就任。21年ぶりのW杯自力出場、45年ぶりの五輪出場など階段を上ってきたが、まだ発展途上。23年にはW杯(日本とフィリピン共催)、24年にはパリ五輪を迎える。3人制に出場した富永など、若い選手をどんどんA代表に招集し、国際試合を経験させ、日本が勝つために選手を育てていくことが大事だ。(バスケットボールコメンテーター)