日本(世界ランク10位)が、輝かしい銀メダルを手にした。米国(同1位)に75-90で敗れはしたが、76年モントリオール五輪の5位を上回り、男女を通じて初のメダルを獲得した。

身長差の不利を覆し、スピード重視のスタイルで強敵を次々と撃破。大会最終日、最後は女王に屈したが、堂々とした戦いを繰り広げた。米国は五輪7連覇を達成。日本の夢は、24年パリ五輪へつながった。

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一抹の悔しさと、晴れやかな表情が入り交じった。平均身長は出場12カ国中2番目に低い176センチ。そのハンディを克服すべく、日本は外角シュートを多用する戦術で勝ち上がったが、最後は米国の高さと強さに屈した。浴びたブロックショットの数は12。なんとか相手の手をかいくぐっても、ボールはリングからこぼれる場面が目立った。それでも主将の高田は銀メダルをぶらさげ、胸を張った。

「狙っていた金に届かず悔しいが、日本初のメダル。誇りに思いたいです」

流れをつかみかけたシーンはあった。本橋のドライブや三好の3点シュートで追い上げた第2クオーター。8点差の場面でボールを奪われ、さらにリードを広げられそうになったが、相手がシュートミス。確保したこぼれ球をテンポよく回し、ノーマークで受けたオコエが3点シュートを放ったが、惜しくも外れた。直後に米国が得点し、5点差に縮みかけたビハインドは10点差に開いた。女王米国との差は、手の届くところにあった。

この大会で司令塔として活躍した162センチの町田には、確かな手応えがある。

「(相手は)世界のナンバーワンチームだと感じたが、まだまだ自分たちもできそうというのはあった」

大けがを乗り越えて五輪の舞台に間に合わせた165センチの本橋もこの試合、限られた出場時間で16点と存在感を示した。

大黒柱の渡嘉敷が離脱し、大きく戦力ダウンしたかに見られた中で全員が一丸となって前評判を覆した。ともすれば男子に注目が集まりがちだったバスケ界にあって、女子が巻き起こした大旋風。米国出身のホーバス監督は選手を褒めた。

「最後までよく頑張りました。選手たちに感謝。これから日本は新しい時代になる。これからもっともっと、こういう結果を出す」

銀メダルはもう手にした。3年後、パリ五輪につながる夢へ-。次こそ、金メダルだ。【奥岡幹浩】