フェンシング女子エペ代表で2016年リオデジャネイロオリンピック(五輪)8位の佐藤希望(33=大垣共立銀行)が26日、ブダペストでのグランプリ(GP)大会(3月6~8日)に向け成田空港を出発。世界ランキング日本人最上位の佐藤は、自身3度目の五輪を目指している。息子たちや支えてくれる家族の期待を背負い、佳境を迎える代表争いへ気を引き締めた。

競技人生の集大成と位置付ける東京五輪へ、3度目の出場を目指す佐藤が調子を上げている。2月に行われたバルセロナでのW杯では、昨年完敗した韓国人選手に一本勝負にもつれる接戦を演じた。17年に次男出産後半年近く休養したが、復帰後は持久力を強化。「戦える体に仕上がってきた」と手応えを感じている。

原動力は、2人の息子と家族の存在だ。リオデジャネイロ大会を終え、一度は第一線を退くことも考えた。長期遠征などで家を空ける際に息子たちの世話をする母が「東京五輪なら見に行ける」と話し、競技を続けるか迷っていた背中を押してくれた。

長男の匠君(6)は、フェンシングを習い始めている。「ママの得意技~」と一生懸命まねする姿を見て、元気をもらう。「子育てとの両立は大変なところもあるが、オンとオフの切り替えにもつながっている」と競技を続ける上で息子たちの存在が励みになっていると語った。