26日に福島県から始まる東京オリンピック(五輪)聖火リレーについて、大会組織委員会が24日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、直前になって中止を決定したことを受けて、福島県のランナーはさまざまな形で受け止めている。

聖火リレー3日目の28日に福島・須賀川市で最終ランナーを務める予定だったメキシコ五輪男子マラソン銀メダリスト君原健二さん(79)は「残念です」と重い口調でつぶやいた。この日朝、福岡・北九州市の自宅で聖火ランナーの走行が難しいという話を報道で知った。25日から福島入りし、本番に備える予定だった。だが「どこからも連絡がありませんし、確認することもできません。でも…、そうなってしまうのでしょうね」と無念さをにじませた。

1964年の東京五輪では男子マラソン銅メダリスト故円谷幸吉さんとともに日の丸を背負った。68年メキシコ五輪を前に自死した無二の親友である円谷さんの写真を胸につけ「円谷さんが生まれ育った故郷で一緒に走りたい」と願い続けた。地元福岡県からの聖火ランナー打診を固辞して、亡き友のふるさとでの走行はいったん見送られた。