東京五輪・パラリンピックの中止を求めてオンラインでの署名活動に取り組む元日弁連会長の宇都宮健児氏が14日、大会を開催しないよう求める要望書を東京都庁で提出して記者会見し、「五輪という華やかなイベントより命を優先するべきだ」と訴えた。署名は今月5日からインターネットサイト「Change.org」で募り、既に賛同者が35万人を超えている。

宇都宮氏は会見で「短期間で多く集まり、国内外で報道されて大変勇気づけられた。各種の調査でも中止を求める声が多く、世論を反映した署名だ」として、署名活動については「大会中止が決まるまで続けたい」との意向を示した。要望書を手渡した際、都の担当者は小池百合子知事に伝えると応じたという。

さらに、6月25日に告示される都議選の期間まで中止が決定されない場合は選挙戦の争点になるとして、賛同する候補者を支援する可能性を示唆。「選手の気持ちを思うと切ないが、もう少し早く中止を判断すべきだった。一番の犠牲者は選手だ」と述べた。

要望書では、新型コロナウイルスが国内だけでなく世界中で収束しておらず、大会を安全に開催するのは極めて難しいと指摘。医療従事者を疲弊させ、市民の暮らしを危機にさらすとして「平和の祭典であるはずの五輪が理念から大いに逸脱する」と主張する。

報道各社の世論調査で中止や延期を求める意見が多いにもかかわらず国際オリンピック委員会(IOC)に中止を要請しないのは「あまりに遅い失策」と強調し、大会関連の予算を新型コロナ対策に回すべきだとしている。(共同)