神奈川県は11日、県内で今月28~30日に予定される東京五輪聖火リレーの公道走行を中止すると発表した。代替イベントとして各日とも点火セレモニーを行い、走者にはそこに参加してもらう方針。観客については、無観客も含めて検討している。

県はまた、五輪期間中に藤沢市の片瀬東浜海水浴場(7月25日~8月5日)、パラリンピック期間中に小田原市の小田原城址公園(8月28、29日、9月4、5日)で計画されていた、パブリックビューイング(PV)を中心としたライブサイトも中止した。

黒岩祐治知事はこの日の会見で、新型コロナウイルスの状況について「まん延防止等重点措置が解除されたとしても、現状では引き続き、外出自粛要請を継続していかなければならない状況」とし、人流抑制などの観点から中止したと説明。県民や走者に対し「大変申し訳ない気持ち」などと話した。

同県内では別に、藤沢市が市役所で、横浜市も大さん橋や市役所本庁舎でPVなどを予定していたが、いずれもこの日中止を発表した。

会場となる首都圏ではここにきて、計画の中止や変更が相次いでいる。千葉県もPVと聖火リレー公道走行の中止を表明し、埼玉県や茨城県もPV中止を発表していた。

田村憲久厚労相は11日の会見で、千葉県などのPV中止について「リスクの高い形で外に出て応援されると、また感染が広がる可能性がある。適切な判断をいただいている」と評価。「できれば自宅で応援していただきたい」などと呼び掛けた。