東京五輪・パラリンピックの最高位スポンサーを務めるトヨタ自動車は19日、五輪に関するテレビCMの国内放映や、豊田章男社長ら関係者の開会式出席を見送ると表明した。協賛活動の縮小となり、巨額の資金を提供しているスポンサーとしては異例の対応だ。新型コロナウイルス感染拡大下での開催に反発する声に配慮した。他のスポンサーでも同様の動きが明らかになっており、今後広がる可能性が出てきた。

CMによる開催機運の盛り上げが五輪に反対する意見を刺激し、参加する選手が標的となることを避ける狙いもあるようだ。19日に取材に応じた長田准執行役員は「私たちの強い思いとしてはアスリートに競技に集中してほしい」と強調。自社サイトによる選手や競技の紹介と大会運営のサポートに重心を置く。

トヨタが計画していたCMは、自動車で練習場や大会会場に向かうアスリートを描き、困難に挑戦する大切さを伝えるストーリーなどで「(製品の)プロモーションを意図したものではない」(トヨタ)。北米や欧州などで放映しており、日本国内でも放映を検討したが、昨年の段階で見送りを決めたという。

トヨタは2015年に最高位のスポンサーとなった。契約期間は24年までで、契約額は非公表だが、総額で1000億円を超えるとみられている。

トヨタ以外では、NECや富士通が開会式などに関係者を出席させない方針を明らかにした。スポンサーの幹部の1人は東京五輪のイメージが悪化する中で「お金を出すメリットが見いだせない」と怒りをあらわにした。(共同)