東京オリンピック(五輪)開閉会式の制作チームで「ショーディレクター」を務めていた小林賢太郎氏(48)が、過去のホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)をめぐるネタを理由に解任された問題に関連し、自民党衆院議員の中山泰秀防衛副大臣(50)が、今回のケースを問題視した米人権団体側に対し、問題が表面化する前に小林氏の件を連絡していたことが22日、分かった。

中山氏が自身のSNSで明かしている。

SNSによると、中山氏は小林氏に関する問題の投稿を受けている。この投稿者がツイッターに「中山防衛副大臣に相談させていただき、すぐにご対応くださるとのことです」などと記載。中山氏が、米人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」側と連絡を取っていることも、記していた。

この後、中山氏は「早速サイモンウィーゼンタールセンターと連絡を取り合い、お話をしました。センターを代表されるクーパー師から、以下のコメントがありましたので、ご報告します」とも記し、センター側のメッセージも紹介している。投稿時間はいずれも22日未明。

一方、小林氏の解任を発表した組織委員会の橋本聖子会長は22日の会見で「関係者の指摘」で、今回の問題を把握したことを明かした。記者に、それは中山氏の指摘かと問われると「違います」と否定した。

中山氏は、東京大会成功を目指す菅政権の一員。開会式前日の小林氏の解任で、大会は本番直前になっても混乱が止まらない事態が続いている。