男子ゴルフの18日付最新世界ランキングが日本時間19日に発表され、金谷拓実(22=フリー)が東京オリンピック(五輪)出場権を得られる日本勢2番手の76位に浮上した。

金谷は18日まで行われた国内ツアーの今年初戦、東建ホームメイト・カップで優勝。118位から一気に42ランク上昇した。逆に前週まで日本勢2番手だった今平周吾は、前週の83位から95位となり、3番手に後退した。日本勢トップは松山英樹で、前週と変わらず14位。4番手は石川遼で140位。上位は変わらず、ダスティン・ジョンソン(米国)が1位を守っている。

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金谷が世界ランキングを駆け上がり、ついに東京五輪の出場権を得られる、日本勢2番手の76位に浮上した。昨年10月2日のプロ転向発表から、2日後の同4日付は247位。そこから半年余りで171ランク、前週から42ランクもアップした。前日18日まで行われた東建ホームメイト・カップで優勝後、東北福祉大の先輩で、マスターズ優勝を果たした松山から「五輪に一緒に出よう」と激励されていたことを明かした。松山に優勝と、五輪出場圏内に入ったという、2つの朗報を届けることになった。

ただ、あくまで現時点で五輪出場圏内に入っただけで、出場権争いが今後2カ月続くことは、誰よりも金谷が理解している。最終的には6月20日付の世界ランキングで、各国の上位2人が出場。14位の松山は「当確」。実質、残る1枠を日本勢3番手に後退した18、19年賞金王の今平や、経験豊富な4番手の石川らと競う。前日も「トップ50に入れば米国の試合にも多く出られる。五輪も選ばれたいので、そのためにもたくさん優勝したい」と話し、手綱を緩めるつもりはない。

プロ転向後2勝目で、昨年と統合された今季の賞金王争いでも首位に立った。さらに100位以内に入ったことで、全米プロ選手権(5月20日開幕)の出場権獲得の可能性も高い。ランキングを左右するポイントの高いメジャーで活躍すれば、後続を引き離せるチャンス。一方で帰国後の自主隔離で、出場試合数が減るリスクもある。いずれにしても今後の動向や体調次第で、国内か海外か決められる選択肢は増える。それこそが、五輪切符に近づいた何よりの証明となった。

◆金谷拓実(かなや・たくみ)1998年(平10)5月23日、広島県生まれ。5歳からゴルフを始める。15年に17歳51日の史上最年少で日本アマ優勝。同年の日本オープンは11位で、史上最年少でローアマを獲得。19年11月の三井住友VISA太平洋マスターズでアマ4人目のツアー優勝。同8月から約1年間、世界アマチュアランキング1位を維持し、20年度のアマ世界一の称号「マコーマックメダル」を受賞。20年10月2日にプロ転向し、同11月のダンロップ・フェニックスでプロ初優勝。172センチ、75キロ。