首位で出たザンダー・シャウフェレ(米国)が通算18アンダー、266で金メダルを獲得した。台湾生まれで日本育ちの母を持ち、祖父母は現在も東京・渋谷に住む親日家。今大会には陸上十種競技での五輪出場の夢を交通事故で断たれた過去を持つ父のステファン氏もコーチとして帯同しており、喜びもひとしおの勝利となった。

シャウフェレは試合後、「私は父のために勝ちたかった。彼が今どこかで泣いていると確信しています。この勝利が他の何よりもほしかった」と喜びを語った。「今夜、祖父母に電話をかけるつもりです」と日本の家族についても口にし「正直なところ、今は少し言葉が出ません」と話した。

4月のマスターズで敗れた日本の松山英樹(29)と再び最終日最終組で回り、逃げ切る形で競り勝った。14番でティーショットを右の林に打ち込んでしまうトラブルなどもあった。1罰打を受け、林からの第3打は木に当たる可能性も高かったが、それでもボールを出せたのは幸運だったとし「今日は間違いなく私の日でした」と胸を張った。

父でコーチのステファン氏も息子の勝利に喜びを爆発させた。「落ち着くまでに少し時間がかかります。正直に言って、私はかなり緊張していました。この勝利を非常に誇りに思っています」と語り「これまでで最も意味のある勝利です。素晴らしい成果だと思います」と力を込めた。日本にルーツを持つ家族については「まだ話はできていません。みんな驚いていると思います」と話した。