16位から出た日本の稲見萌寧(22)は1イーグル、5バーディー、1ボギーの65で回り、通算7アンダー、135で首位と6打差の6位に浮上した。

メダル圏内の2位タイまでは2打差としており、初の五輪で表彰台も狙える位置につけた。世界ランキング1位のN・コルダ(米国)が62をマークし、通算13アンダーで首位に立った。60人で争い、予選落ちはない。

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堂々のプレーで稲見がメダル獲得へ前進した。勢いに乗ったのは6番パー4。1オンも狙える短いホールでドライバーを振り抜くと、ボールはグリーンに落下して転がり、奥のエッジへ。約15ヤードの距離から狙ったチップショットはスルスルと転がってカップにおさまり、今大会自身初イーグル。後半もスコアを伸ばし、最終18番では初日に続いて難しいパットを決めて5つ目のバーディー。ガッツポーズで締めくくった。

首位のN・コルダや、同じ6位の高真栄ら世界ランキング上位のトップ選手にも引けを取らない戦いで、メダル圏内まで2打差。幼い頃から夢見てきた舞台でも「緊張はしない」と強心臓ぶりを発揮し、2日間を終えてのフェアウエーキープ率85・71%は全体1位としている。常に「完璧主義者」と自称するが「そんなに(内容は)悪くはない」と珍しく表情を緩ませた。

この日も猛暑で最高気温は35度超え。第3日は午前7時半開始は変わらず、1番と10番スタートに分けて涼しい時間での実施に変更されるなど、暑さが最大の敵とも言える。日本チームでは内部に保冷剤が8個入ったアイスベストを用意し、稲見も競技後はすぐに着用して体をクールダウン。宿舎でもアイスバスに入るなど調整に余念がない。

昨年開催ならば出場権は得られておらず、今年の国内ツアーで最多5勝と強さをみせてつかんだ大チャンス。「気負っていても良い方にはつながらない。楽しんで、持っているものを最大限に引き出せて上位にいけたら」。国内の絶対女王が、世界を相手にメダルを勝ち取る。【松尾幸之介】