体操界の新星が「オオトリ着地」に名乗り! 東京五輪団体メンバーの北園丈琉(18=徳洲会)が30日、大阪市内で取材に応じ、「みんなやりたいって言ってます。演技でアピールしあっている感じです」と笑顔で明かした。

話題は金メダル争いをしていれば、最終種目になる鉄棒の、さらに最終演技者。記憶にあるのは、「栄光の架け橋だ~」の実況で知られる04年アテネ五輪、団体金メダルが決まった冨田さんの着地。いまも必ず五輪の名場面に数えられるシーンだ。

橋本大輝、萱和磨、谷川航、そして北園の団体4選手は、皆が初出場で若さと勢いが売り。ロシア、中国との競り合いの中で重圧のかかる場面が想定されるが、北園は「プレッシャーは感じると思うけど、決めた時のうれしさがすごいと思う」と歓迎した。アテネでは率先した立候補者がいなかったが、今回は4人ともに強気。先週まで行われた合宿でも、良い刺激を与え合い、アンカーの座を狙い合っているようだ。

北園は代表選考会だった4月の全日本選手権決勝の鉄棒で落下し、両腕の靱帯(じんたい)損傷、加えて右ひじは剥離骨折する重傷を負った苦難から、諦めずに代表入りをつかんだ。4枠目での選出となったが、引け目はない。「団体での優勝を一番に考えて、今の日本のチームは本当に強いと思うので、団体も個人も種目別も、出る種目で多く金メダルを獲得できるように頑張りたい」。ハキハキと決戦を見据えた。