【デュッセルドルフ(ドイツ)20日=峯岸佑樹】柔道の東京五輪代表選考会の1つ、グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会は21日、当地で開幕する。

男女9階級の1番手が出場し、今大会の結果を踏まえ、27日の全日本柔道連盟(全柔連)の強化委員会で複数の五輪代表が決まる見込み。柔道の東京五輪代表選考は過去の大会とは異なり、全柔連は選手の準備期間確保を重視した「3段階」による選考を導入した。複雑でやや分かりにくい選考方法と代表争いの行方をQ&A方式で解説した。

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Q 3段階の選考とは

A 代表選手の五輪までの調整を最優先した選出方法で3回のチャンスがある。

(1)19年世界選手権優勝者が同11月のGS大阪大会を制し、強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成で代表入りが決定。4人の世界王者がいたが女子78キロ超級の素根輝のみが内定した。

(2)同12月のマスターズ大会(中国)、2月のGSパリ大会、GSデュッセルドルフ大会終了時点で、27日に行われる強化委の3分の2以上が1、2番手の差が歴然としていると判断すれば代表に選出される。

(3)最終選考は4月の全日本選抜体重別選手権(福岡)で、強化委の過半数の賛成で代表決定。激戦の階級は、これまでと同じ国内大会で最終決着をつける。 

Q 今大会の注目は

A 男子73キロ級で五輪2連覇を狙う大野将平は、18年アジア大会以降負けなし。今大会で勝てば代表の座を手にする可能性は高い。60キロ級の高藤直寿は内容のある勝ちが求められる。ただ、2番手の永山竜樹がマスターズ、GSパリと連勝しているため選考にどう影響するか。激戦の66キロ級は、丸山城志郎が故障により欠場したため、阿部一二三との直接対決は4月までもつれそう。女子48キロ級の渡名喜風南、阿部詩、田代未来、新井千鶴、浜田尚里は今回優勝すれば代表を勝ち取る可能性が高いとみる。

Q 今大会に欠場した選手が今月末に代表に決まることもある

A 男女両監督とも選考において「この1年間の結果を総合的に判断する」と繰り返し強調しているため、男子100キロ級のウルフ・アロンや100キロ超級の原沢久喜は、その可能性もある。