新型コロナウイルスの感染拡大を受け、延期となった柔道の東京オリンピック(五輪)代表最終選考会を兼ねる全日本選抜体重別選手権が、会場の福岡国際センターでの開催が困難であることが30日、分かった。

全日本柔道連盟(全柔連)は27日、4月4、5日の無観客開催の延期を決めた。延期期間については、出場選手の減量などのコンディション調整や会場確保の問題を考慮して、早くても6月以降の実施を想定。今秋には、来年の国際大会の出場権が懸かる講道館杯(10月31日~11月1日・千葉ポートアリーナ)などが詰まっているため、9月末までを“開催期限”とする意向を示していた。

しかし、関係者によると、福岡国際センターの6月から9月末までの週末は、既にイベントなどで予約が全て埋まっているという。新型コロナウイルスの感染収束が見通せない状況で、キャンセルが出る可能性もあるが、現時点での期間内の開催は難しい。10月10、11日も候補日の1つとして挙がっているが、その約3週間後に講道館杯が行われるため現実的でなく、調整は難航している。代替候補としてマリンメッセ福岡などの市内の会場だけでなく、県内を軸に調整している。2日間の競技日程の短縮も検討しているという。

東京五輪代表は2月末までに男女14階級のうち、13階級で決まった。同大会では、五輪代表が唯一決まっていなかった男子66キロ級で、19年世界王者の丸山城志郎(26=ミキハウス)と17、18年世界王者の阿部一二三(22=日体大)との新旧世界王者対決に注目が集まっていた。全柔連は東京五輪の1年延期に伴い、4月中旬以降に常務理事会と臨時理事会を開く。既に決定した代表13人の処遇や、男子66キロ級の「ワンマッチ」を含む代表選考について協議する。