1年延期となった東京オリンピック(五輪)の柔道男子100キロ超級で3連覇を目指すテディ・リネール(フランス)は、7日に31歳の誕生日を迎えた。新型コロナウイルス感染によるフランスの死者は19日時点で2万人に迫り、厳しい外出制限が続く。ベテランには五輪までの一日一日がより重くのしかかるが「野獣は今、虎視眈々(たんたん)と準備中だ」と不敵に言ってのけた。

このほど会員制交流サイト(SNS)で2024年パリ五輪組織委員会のエスタンゲ会長と対談し、近況や五輪延期を受けた心境を語った。

ウイルス禍で道場は閉鎖されており「自宅に申し分のない練習室をつくった」。バーベルなど筋力強化の器具や畳をそろえ、屋上では縄跳びにも取り組む。地元メディアによると、1日2回の練習ではビデオ電話でコーチの指導も受ける。

2月のグランドスラム・パリ大会では、約10年間も続いた連勝が154で止まった。影浦心(日本中央競馬会)に敗れた試合は2メートル超の体が重そうで、1月にはベスト体重を15~20キロも超過。自宅待機の現在は練習量が減るため妻が厳しく体重を管理し、子どもの菓子は鍵付きのスーツケースに全て入れたという。

五輪が史上初の事態となっても「生きることが優先。まずはウイルスを克服し、五輪はそれからだ」と理解を示す。親日家の王者らしく、揺らぎのない自身の心を「ZEN(禅)」と表現。ツイッターのプロフィル画面は「東京2021への道」に更新した。16年リオデジャネイロ五輪決勝の雪辱を期す原沢久喜(百五銀行)ら世界の猛者を、どっしり構えて迎え撃つ。