24分間の激闘が幕を閉じた。男女14階級で唯一、決まっていなかった代表を決める日本柔道史上初の「ワンマッチ」が行われ、17年から世界選手権2連覇の阿部一二三(23=パーク24)が制した。19年世界王者の丸山城志郎(27=ミキハウス)を相手に延長戦の末、大内刈りで技ありを奪って優勢勝ちし、来夏の五輪代表内定を勝ち取った。

試合後、吉田秀彦パーク24監督(51)の主なコメントは以下の通り。

「まずはホッとしています。まずは東京五輪代表に内定したということで、金メダルに向けて、ここから引き締めたい。ただ、今日だけは喜びたい」

「試合は、両方とも相手の技を知り尽くしている中で、気持ちと気持ちのぶつかり合いになったと思います。城志郎というライバルがいて、本当に良かったんじゃないかなと」

「(勝敗を分けたポイントは)どうしても五輪に行くんだ、という気持ちが一二三の方が少し上回ったんじゃないかなと。一二三が世界選手権で(17、18年に)連覇して、五輪に行くかなと思っていたところ、丸山城志郎というライバルが現れて。このままじゃいけない、と気付かされた部分があったと思う。技術的な部分ではなく精神的にね、すごく成長したなと思います」

「(92年バルセロナ五輪男子78キロ級の金メダリストで、五輪の重圧を知る。アドバイスを求められ)4年に1度の五輪で勝つことは非常に難しい。魔物がすんでいる、とも言われる中、それに負けないような体をつくってもらいたいなと思います」

「(取材時点では)まだ本人とは話をしていない。まずは、お疲れ、と言いたい。相手の対策を練っているのを間近で見ていたのでね、勝てて良かった。(妹の)詩の方が喜んでいましたよ、泣き崩れていましたね」

【峯岸佑樹、木下淳】