五輪の借りは五輪で返す-。東京オリンピック(五輪)柔道男子60キロ級代表の高藤直寿(27=パーク24)が、戦闘モードに突入した。アジア・オセアニア選手権(キルギス)の優勝から一夜明けた7日、現地からオンライン取材に応じた。

1年2カ月ぶりとなった、五輪前最後の実戦を終えて「この1年間の積み上げが間違ってなかった。強くなってると感じた。試合の緊張感も味わえて、久々の感覚や新鮮さも感じた」と手応えを口にした。

決勝までの4試合中3試合を一本勝ち。得意の足技だけでなく、袖釣り込み腰などの担ぎ技でも“一撃”した。逆技なども自然に出て、隙のない幅広い柔道を披露した。「やりたいことが全てできて楽しかった。試合ができることは本当に幸せだと思った」と、改めてコロナ禍中で国際大会に出場できたことに感謝した。

16年リオデジャネイロ五輪は涙の銅メダルに終わった。勢いに頼りすぎていたことを猛省し、五輪前の「メンタル面の準備」の重要性を痛感した。

「前回は舞い上がってしまった。今回は最悪の場面も想定してやり残しがないように準備する。リオよりも安定した自分で試合に臨めるようにしたい。この3カ月は、人生をかけて死に物狂いでやる」

27歳の柔道家が、2度目の大舞台でのリベンジに燃えている。