16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)柔道男子73キロ級金メダルで東京五輪で2連覇を狙う大野将平(29=旭化成)が、王者の貫禄を漂わせた。

1日、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで始まった男子代表強化合宿に参加。オンライン取材に応じた大野は、約3カ月後に迫る2度目の五輪に向けて「(試合日の)7月末にベストパフォーマンスを見せることだけを考えている。内で静かに燃えているし、(闘志は)表に出す必要もなく冷静に準備している」と、己と向き合いながら着実に臨戦態勢を整えていることを強調した。

昨年2月の国際大会以降、実戦を挟まずに五輪本番に臨む。現在の世界ランキングは11位のため、五輪では上位8人が手にするシード権も与えられないが、不安は「特にない」と不動心を貫く。その根拠に、国内で実戦に近い稽古が積めているという。

代表合宿後の9日からロシア・カザンで行われる国際合宿に参加予定。五輪だけでなく、世界選手権を3度制すなど柔道界で圧倒的な存在感を示す29歳の王者は「どんな段階を踏もうが結果が全ての世界で戦っている。コロナ禍で厳しい状況だが(国際合宿に参加できることは)ありがたいし、自分自身を最大限追い込みたい」と言葉に力を込めた。