16年リオデジャネイロ五輪男子73キロ級金メダルの大野将平(29=旭化成)が、2連覇を達成した。

決勝では前大会銅メダルのシャフダトゥアシビリ(ジョージア)に延長の末、優勢勝ち。日本男子の連覇は04、08年と66キロ級を制した内柴正人以来で4人目。日本柔道では、史上7人目となる五輪連覇の快挙となった。日本男子は競技初日から3階級全制覇となった。

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1回戦から決勝の勝ち上がりもみて、今日の大野は万全ではなかったと見ていた。内股で投げてもバネがなく強引だった。大外刈りも踏み込みが浅く、全体的に技が伸びきっていた。しかし不調でも寝技で勝っていた。冒険しない戦い、相手が攻めたところに技を合わせる。負けない柔道が良かったのだと思う。

最後2試合は延長となったが、プレッシャーをかけて前に出ていたので、相手がミスをしてくれると感じていた。外国人選手は大野に組まれることをとても嫌がる。研究もされ、決勝は軸になる左手をほぼ取らせてもらえない状況。連覇の重圧もあった中で、勝てたのは本物の強さだと思う。

常々、大野は「五輪が絶好調の時に来るわけはない、調子良くない日でも勝たないといけない」と話していた。ベテランになると調子が悪い中でも結果を出せるようになる。それを体現してくれた。本人が決めることだが、五輪王者として次のパリで3連覇を目指してほしいと思う。(12年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪銅メダリスト)