「脱コンタクト」は吉兆を予言していたのか!? 17、18年世界選手権覇者で初出場の新井千鶴(27=三井住友海上)が金メダルを獲得した。

ヤマ場だった準決勝では、タイマゾワ(ROC)に16分41秒の死闘の末、一本勝ち。ポレレス(オーストリア)との決勝では、1分8秒に小外刈りで技あり。その後も冷静に攻め続け、優勢勝ちを収めて、夢の五輪王者の称号を手にした。

この日は、同じアクシデントが2度起きた。初戦の2回戦で激しい組み手争いにより左目のコンタクトが外れた。激闘を制した準決勝でも右目のコンタクトが外れた。

実は、18年世界選手権でも同じような出来事があった。準決勝で両目のコンタクトが外れ「あまり見えない状態でがむしゃらに前に出た」とそのまま試合を続行。決勝も片目のコンタクトが一度外れて、入れ直す場面があった。入れ直す時間があったことで「自分の中で1回呼吸を整えることができた」とし、再び“戦闘スイッチ”が入った。得意の内股で技ありを奪い、縦四方固めで合わせ技一本。一気に勝負を決めて、世界選手権2連覇を達成した。

大舞台の結果とコンタクトの意外な関係…。もしかしたら、「五輪金メダル」の吉兆を予告していたのかもしれない。【峯岸佑樹】