東京オリンピック(五輪)柔道男子100キロ級金メダルのウルフ・アロン(25=了徳寺大職)が、得意料理で自らを祝福した。

10日、出身地の東京・葛飾区を表敬訪問。青木克徳区長らに感謝の言葉を伝えた上で「試合後のご褒美は、たくさんの方から包丁や魚をもらったのでさばきました」と報告した。

2日前には「めでたい」との意味を込めてもらった約30センチのタイをさばいた。刺し身にして食べ、自らを祝ったという。試合から12日が過ぎて体重計には乗っていないが、お祝いモード全開で「112キロぐらいの感覚」と着実に増量中だ。

ウルフは異色の料理人としての顔を持つ。食いしん坊でもあるが、栄養管理のために始めた自炊がきっかけで料理に目覚めた。YouTubeを参考に見よう見まねで挑戦し、魚屋では職人の包丁技術を目で盗んで勉強した。凝り性でもあり、休日には豊洲市場まで足を運び、後輩らに多くの手料理を振る舞った。

17年世界選手権、体重無差別で争う19年全日本選手権も制し、史上8人目となる「3冠」を達成した。五輪前には「優勝して『めでたい』のタイをさばきたい」との目標を掲げ、見事に有言実行のご褒美となった。【峯岸佑樹】