空手の東京オリンピック(五輪)組手女子61キロ超級代表の植草歩(28=JAL)がパワハラ被害を訴えている問題で、全日本空手道連盟(全空連)の香川政夫選手強化委員長(65)が辞任の意向を固めたことが6日、分かった。

香川委員長は日刊スポーツの取材に、「一切の責任は私にある。問題を早く解決するために全空連の一切の職を辞する」と話し、同日中に辞表を郵送するとした。香川氏は全空連強化委員長のほか、理事も務める。

先月31日の倫理委員会では、帝京大師範でもある香川氏が竹刀を用いた練習を行ったことで、植草が目を負傷したことが事実と認定された。その答申を受け、今月9日の臨時委員会で処分が決まる。香川氏は「竹刀を使った練習をしたことは事実で、(植草に)けがをさせてしまったことは自分の責任」としたうえで、「ただし、目を突いたり、故意にけがをさせたということは断じてない」とも強調した。大学の教え子にもあたる植草から告発を受けたことについては、「弟子にそうさせたことは自分の責任。(それでやめることになるのは)本望。信頼関係がなくなってしまった」と述べた。

東京五輪で新採用される空手は、開催まで残り4カ月を切ったタイミングで強化トップが交代することになる。日本代表監督なども歴任してきた香川委員長は、「長年要職に就かせていただき、メダル獲得のためにやってきた。あとは選手たちに頑張ってもらう」と話した。