東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は21日、大会の1年延期で発生する追加費用について、国際オリンピック委員会(IOC)が公式サイトのQ&A(20日付)で「日本の安倍晋三首相が、既に合意した現行の契約条件下、引き続き日本側が負担することで同意した」と見解を示したことについて、明確に否定した。該当箇所の削除をIOCに求めていることも明らかにした。

組織委として発表した公式コメントは以下の通り。

「コストを含む延期による影響については、先週のエグゼクティブ・プロジェクト・レビュー(幹部事務折衝)において、これが双方共通の課題であることを確認し、今後、共同でそれらすべてについて評価し、議論していくことで合意されたと認識しています。3月24日の安倍総理と(IOC)バッハ会長の電話会談では、費用負担について取り上げられた事実はなく、双方合意した内容を超えて、このような形で総理の名前が引用されたことは適切でないと考えています。そのため、該当箇所については削除するよう申し入れています。いずれにせよ引き続き、この共通の課題についてIOCと日本側は共同で評価し、議論を進めて参ります」。

その後、組織委としてIOCに申し入れている削除部分について「安倍総理の名前を引用している点、双方が合意した以上の内容に関して」という補足もあった。削除の申し入れはメールで行い、事務レベルで調整を進めている。組織委が午後2時15分にスタートした報道対応の時点では欧州時間が朝のため、回答はまだないという。 新型コロナウイルス感染拡大による大会延期では、約3000億円規模の追加コストが見込まれ、費用負担が問題になっている。