日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)が9日、日本代表の強化拠点である都内のナショナルトレーニングセンター(NTC)でのPCR検査実施を検討することを明かした。

新型コロナウイルス感染拡大で閉鎖されたNTCは5月27日から限定的な利用が再開された。山下会長は、利用者へのPCR検査について「可能であれば、行いたい。JOCにそこまでの力があるか、という問題はあるが、スポーツ界としていろんな力を借りながらできればいいと思う。検査をできるだけ受けられるような環境を」と口にした。

ただ、NTCは多くの競技団体が使用するだけに「命に関わる人、困っている人がいる時に、健康な選手がやるのはどうか」と山下会長。医療現場が最優先で、迷惑をかける気持ちはない。一方で「たかがスポーツかもしれないが、人生で1回きりという選手もいる。バランスを見極めたい」と事態の行方を注視する。

JOCはこの日、オンライン形式で34の夏季競技団体にヒアリング。財政、安全面、活動再開へのガイドライン作成などで情報を共有した。統括団体として最善を尽くしていく構えだ。