来夏に延期された東京五輪の準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長が7日、「新型コロナウイルスにかかわらず東京五輪は来年7月23日に開幕する」との考えを示した。AFP通信が電話インタビューとして報じた。コーツ氏は「コロナを克服した大会となるだろう」とも述べた。延期決定後、IOC幹部がここまで明確に開催可能との見方を示したのは初めて。

政府、東京都、大会組織委員会の3者は4日、東京大会における新型コロナ対策調整会議を発足。組織委はこの中身をコーツ氏に伝えた。この日、都内で取材に応じた組織委の武藤敏郎事務総長は「『勇気づけられる。IOCも協力したい』と言われた。それを踏まえ、そこまでやってくれれば開催は可能だと考えたのでは」とコーツ発言の真意を推察した。

組織委の森喜朗会長は「(IOCの)バッハ会長もコーツ委員長も開催を目指そうと約束してお互いにここまで来た。当然だと思う」と述べた。

日本オリンピック委員会の山下泰裕会長は「我々もIOCと同じ気持ちだ。安心安全の中、大会が開催できると思っている。そのために今、対策を講じている」と話した。

ただコーツ氏の発言は行き来している。今年5月には、ワクチンが開発されても、十分な量が世界中で確保できない状況を想定すべきとし、開催可否の判断時期について「10月ごろになる」と述べていた。