東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会が、来夏に延期された大会の準備状況や新型コロナウイルス対策について話し合う国際オリンピック委員会(IOC)国際パラリンピック委員会(IPC)合同プロジェクトレビューが18日、3日間の日程を終え、東京・晴海の組織委オフィスで会見が開かれた。

観客について、フルスタジアムが可能かどうか聞かれるとIOCジョン・コーツ調整委員長(70)が「合理的な数、妥当な数でなければならない。安全を担保するために。どこかで読んだが、日本のプロ野球では横浜スタジアムで86%、東京ドームで74%の集客で実証実験をした。(コーツ氏の母国)オーストラリアでも、フットボールの試合にかなり多くのファンが入っている。そこから学びがあるので注視していく。できるだけ多くの観客にチャンスを提供したい」と話すにとどめた。日本側は、その決定時期について「来春」としている。

マラソンや聖火リレーなど、チケットが不要な沿道観戦者の取り扱いについては、組織委の森喜朗会長(83)が「今の時点で言えば当然、多くの人が集まるであろう場所については、何らかの制限をしなければいけないと思う。選手たちの安全を考えても。ただし、開会式の入場行進と同じように、まだ議論をするのは早いのではないか」と制した。

最後に、新型コロナウイルス対策等の進行度が何%か質問されると、コーツ氏が「対策の数は43と読んだ気がする。詳細に精通しているわけではないが(日本の対策調整会議が)こんなに細かいところまで詰めているんだ、と感激しているところ。驚いている。引き続き日本の首相や都知事の支援をいただけることが、我々が開催に自信を持っている根拠だ」と語った。

続けて、スイスのIOC本部からリモート参加していたクリストフ・デュビ大会エグゼクティブ・ディレクターが進捗(しんちょく)について補足した。「まずアスリートの保護が大切だ。競技エリアで何か起きたら最も大変。まだまだ決定はなされていないが、選手を守るシナリオなど議論していく。アスリートのことを決めれば、ほかのことも決まってくる。その観点から進行度を言えば、非常に大きな部分で進みつつある」と説明を添えた。【三須一紀、木下淳】