東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が、来年7月23日のオリンピック(五輪)開会式(国立競技場)の入場行進における参加者の削減案の1つとして、従来より最大75%減らす案を検討していることが19日、関係者への取材で分かった。新型コロナウイルス対策の一環。実現すれば史上初の試みで、安心安全な大会開催をアピールする狙いがある。IOCは希望する選手は原則全員、入場行進に参加させたい強い意向を示している。

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組織委とIOCは今月中旬、事務レベル協議から段階を上げ、開会式について幹部クラスの電話会合を実施した。日本側は慣例儀礼は守るとし、例えば主催者・IOC会長あいさつ、放鳩式、入場行進、聖火台点火などは全て実施すると説明。式典時間は3時間15~20分になると提示した。行進時間の2時間は維持しつつ、コロナ対策や簡素化の観点から縮小する必要があるとの方向性を確認した。

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延期決定後の五輪開会式を巡る経緯

4月 簡素化の象徴として五輪パラの開閉会式を合同でやる案が、演出家チームの一部で浮上した。

初夏ごろ 組織委がIOCに対し、行進人数を各国1種目ごとに1人とし、式典自体を約2時間40分に短縮したいと提案したが、受け入れられなかった。

7月 森会長が記者団の取材に、開会式の時間短縮は放映権の問題でIOCから断られたことを明かした。

11月 来日したバッハ会長が国立を視察した際「開会式はアスリートにとって本当に意味がある。人生の非常に大きな経験。必ずそれを担保するセレモニーにしたい」と発言。翌日のコーツ副会長もバッハ氏を追随するように、希望する全選手の行進参加を推奨。一方の森会長は「(コロナ禍で)世界の選手が本当に行進に参加したいのか」と話し、各国オリンピック委員会を通じた調査をすべきと提案した。