東京オリンピック(五輪)の聖火リレーが25日朝、福島のサッカー施設Jヴィレッジ(広野町、楢葉町)からスタートした。東日本大震災の起きた11年に、女子サッカーW杯ドイツ大会で初優勝した際の「なでしこジャパン」メンバー15人と当時の佐々木則夫監督(62)が第1走者として走った。7月23日夜、国立競技場(東京都新宿区)で行われる開会式で聖火台にともされるまで121日間、全国47都道府県を回る。

Jヴィレッジは、頻繁に合宿した、なでしこの聖地。しかし、東京電力福島第1原発事故の対応にあたる東電の前線基地となり、震災直後は芝生のピッチに鉄板が敷かれ、事故対応車両の駐車場や、作業員の宿泊場所となった。19年4月、元のサッカー場として全面復旧。復興五輪の象徴として、聖火リレー出発式の場所に選ばれた。

優勝当時の主将で、ともに走る予定だった澤穂希さん(42)は23日に三半規管の調子を崩してランナーを断念した。第1走者を務めたのは佐々木監督の他に、宇津木瑠美、丸山桂里奈、近賀ゆかり、高瀬愛実、鮫島彩、上尾野辺めぐみ、大野忍、福元美穂、岩清水梓、阪口夢穂、山郷のぞみ、海堀あゆみ、安藤梢、矢野喬子、宮間あや(敬称略)。