東京オリンピック(五輪)開幕まで100日となった14日、東京都庁などで記念式典が行われた。都庁では大会マスコット像、高尾山(八王子市)では五輪シンボルのモニュメントが披露された。

式典に出席した東京都の小池百合子知事は「東京都は現在(新型コロナウイルスの)重点措置の最中。皆さまのご協力のもとコロナを抑え込む重要な期間を経て、皆さまとともに100日後に五輪を開催して、国内外のアスリートにすばらしい大会を繰り広げていただくことを期待している。シンボル、マスコットをご覧になって大会に思いをはせて期待してほしい」と述べた。

元五輪相で大会組織委員会の遠藤利明副会長は「国民の皆さまに(開催に向けて)いろんな意見があることは十分承知している。組織委、都、国と連携しながら、何よりもコロナ対策をしっかりと取った安心安全な大会にする覚悟だ」と語った。

遠藤氏はスピーチの中でアスリートの奮闘を紹介。白血病から復活し、東京五輪の切符を勝ち取った競泳池江璃花子や、ゴルフのマスターズで日本人初優勝を果たした松山英樹から「勇気をもらった」と熱く語った。

一方で「全てうまくいくわけではありません」と切り出した。昨年12月の柔道男子66キロ級で阿部一二三と五輪切符を争った丸山城志郎について「何年間も努力し、24分間の死闘を繰り広げて、それでも残念ながら丸山さんは五輪出場がかなわなかった」と思いをはせた。

また、東京パラリンピックのアーチェリーで代表に内定していた仲喜嗣さんが病気のため今年2月に60歳で亡くなったことを紹介。「昨年だったら出られたんです」と無念さを代弁した上で「そういった方々の思いを私たちはしっかりと踏まえて、この大会に取り組んでいかなければならない。何よりも、こうした皆さまのすばらしい努力、勇気、感動を国民の皆さまに伝える大会にしなければならない」と決意を述べた。【三須一紀】