東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの販売済みチケットが現在、ともに全体の約42%になっていることが明らかになった。全競技会場の最大収容人数に対する割合として、組織委が11日に都内で開いた新型コロナウイルス対策の専門家会議で示された。

組織委は、大会延期前に公式サイトを通じ、国内は五輪が約448万枚、パラが97万枚のチケット販売を終えていた。海外や関係者分なども含めれば、当初は全体で1000万枚の販売が予定され、900億円の入場料収入が見込まれていた。

その後、観客やステークホルダー等への払い戻し、さらには海外観客の受け入れを断念した結果、全体の42%まで下がり、現在は400万枚台という。この中には地元の小中学生が対象の学校連携観戦やスポンサーなど、全てのチケットが含まれている。

会議後の会見で、中村英正MOC(メイン・オペレーション・センター)チーフは「既にそういう状況。追加販売をしなければ販売済み枚数は現状この程度。もちろん、会場によっては50%を超えているところがあり、平均すると42%」と報告した。

チケット担当の鈴木秀紀マーケティング局次長も報道対応し「全セッション(五輪は750セッション)の7~8割が50%以下。多いところでも3分の2くらいで、最大収容人数の7割を超えている会場はほとんどない」と補足した。

続けて、海外観客を断念した後に「ワクチンを打っているのに、なぜ日本へ行けないんだ」という批判の声が海外ATR(公式チケット販売事業者)から届いたことや「一方で、全世界に説明会を開いた際、日本国民の皆さんの安全と医療体制を守るために『ぜひ協力いただきたい』と各国にお願いをしたところ、多くの国が『100%理解できる。全面的に支持する』と表明してくださった」ことを明らかにし「海外の関係者の方々も含め、かなりの枚数をキャンセルいただいた結果」と説明した。

国内観客の上限数は今月中に決まることになっている。【木下淳】