東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委委員会の橋本聖子会長(56)が11日、都内で定例会見を開き、聖火リレーで走れなかったランナーのために代替案を考えていることを明らかにした。

3月25日に福島県から始まり、この日の青森県が終われば残り10都県。聖火はつながっている一方、公道走行の中止が相次いでいることに「1人1人の聖火ランナーの皆さまの思いを、何か別の形で発信できないかなあ、と考えているところ。トーチキスもできない方々がいて、その思いも聞いている。大会成功への力になったはずの皆さまの思いを考えた時、聖火をつないでいただいていることへの感謝と同時に、聖火リレーに参加した証を何か作れないか。まだ私だけの考えではあるが、走る準備をしていただいた方々の思い、心をを結集することができれば、それもまた東京大会のレガシーになるのでは。これから考えていきたい」と私案を示した。

行事の規模縮小が続いていることには「各都道府県の実行委員会の皆さまの力をお借りし、100%の形で実施することが希望ではあったが、できておらず非常に残念」とした上で「来週から被災地(岩手、宮城)に聖火が戻る。東北の皆さんは非常に楽しみにしてくださっているはず。復興した姿を世界に発信することが聖火リレーの大きな願いで、100%できなくなってしまったことは残念だが、安心安全のためには仕方ない」と理解を求めた。【木下淳】