東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が21日、都内のメインプレスセンター(MPC)で復興をテーマに会見した。

1週間前の14日に組織委からリリースされた、開閉会式4式典共通コンセプトと五輪開閉会式コンセプトの発表文書。「Moving Forward」「Worlds we share」が新たに公表された一方で「復興五輪」の記載がどこにもなかった。その理由を問われると「今も入ってない?」と、まず文言が盛り込まれていないこと自体に驚いた。

続けて「リリース上、入っていなかったということでありますけど、これは確実に入るものだと思っていました」と強調し「私自身は入るものだと思っていたので、思いは変わらず。(開閉会式の)中には、しっかりと入っております」とフォローした。

かねて「復興への貢献は東京大会の源流」と力を込めてきた橋本会長のチェックが及ばなかった形だが、2日後の23日に迫った開会式(国立競技場)の中には被災地への思いが「入っている」という。

そのメッセージについては「内容は当日まで公表できるものではありませんけど」と断った上で「復興を遂げていく姿を多くの方に見ていただきたい。そこにコロナという大変困難な状況に見舞われた東北でもある。決して華やかなものにはならないと思います」。

そして「これは私の思いでありますけど、気持ちとしては厳かに。でも、心に被災地の火がともるようなものが込められたオープニングであることに期待しています」と、本来の開催目的である「復興五輪」であるとあらためて強調した。

橋本会長はこの日、全競技に先駆けて福島あづま球場で行われたソフトボールの開幕戦(日本-オーストラリア)を視察してから帰京。被災地の復興を肌で感じた上で、この会見に臨んでいた。【木下淳】