サウナ欲求が高まってきた。取材する柔道は、競技4日目を終えて金5、銀1、銅1のメダルラッシュ。記者も朝から深夜まで冷房強めの日本武道館に引きこもり、連日2階記者席から試合を見てPCのキーボードをたたいている。今は8日間も大好きなサウナに入れていないのが悩みだ。深夜に24時間営業のサウナに行く気力と体力もないのが現状だが、サウナ欲は日に日に強まっている。

サウナのことを考えていたら、ふと思った。日本の好調の要因には、試合直前のコンディション調整も少なからずあるはず。今大会は選手村を利用せず、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)に宿泊。NTCは普段から合宿などで利用する施設で、最終調整もしやすい。まさに地の利を生かした戦術だ。その一方で、海外勢はコロナ禍の影響で練習会場の講道館と選手村の往復の日々。講道館での利用時間も1日75分と決まっている。選手村には減量のためサウナも完備されているが、使い慣れたサウナの方が気持ちも落ち着くだろう。ある選手が「NTCのサウナが一番汗が出る」と言っていたほど充実した施設なのだ。

国内のサウナブームは、64年東京五輪でフィンランド選手団が選手村に設置したことで広まった経緯もある。東京五輪を取材しながら、無性にサウナに入りたくなった。【峯岸佑樹】