体操で16年リオデジャネイロ五輪女子4冠のシモーン・バイルス(24=米国)が27日、団体総合決勝に続いて29日に行われる個人総合決勝を棄権することを発表した。

バイルスは27日に行われた団体総合決勝で、2種目以降に出場せずに他の選手と交代。精神的ストレスを理由に出場を取りやめていた。

バイルスは世界選手権で歴代最多19個の金メダルを獲得するなど“絶対女王”として東京五輪に臨んでいた。3連覇が懸かっていた米国は、バイルスが不在の影響もあり銀メダルに終わっていた。団体総合決勝後にバイルスは、ストレスの要因として新型コロナウイルス禍による開催の1年延期や、無観客開催などを挙げており「今回の五輪はストレスがかかっていた。以前のように自分を信じられない。楽しめていない」などと、涙ながらに語っていた。チームメートについては「(1回目の)跳馬が終わって、他の選手が出場した方がいいと思った。彼女たちは金メダルを諦めなかったし、戦えることを世界に示した」とたたえていた。

25日の予選では個人総合を1位で通過したものの、演技の乱れが目立っていた。2連覇が懸かっていた個人総合決勝。バイルスは前日の時点で「心の休息日を1日取れる。心の休息日を設けることは、素晴らしいことだと思っている。そこからまた取り組みたい」と話すにとどめていたが、出場はかなわなかった。