東京パラリンピック(8月24日~9月5日)の大会組織委員会は17日、学校連携観戦プログラムを除く全会場の無観客開催決定を受け、全てのチケットを大会後に払い戻すと発表した。

対象となるのは東京都の219セッション(競技時間枠)をはじめ、千葉県66セッション、埼玉県13セッション、静岡県8セッションの計306セッション。一般販売分のチケット枚数は約77万枚あり、その全てが対象になる。昨夏まで97万枚を売り上げていたが、大会延期を受けて20万枚ほどの払い戻しが既になされていた。旅行会社、学校関係者を合わせると180万枚を超える販売実績があったという。

今回の払い戻しは大会終了後、自動的に行われる。そのための申請の必要はなく順次返金されるが、現金支払いの場合は金融機関口座の登録が必要。公式観戦ツアーは各旅行会社が問い合わせ先となる。

公式チケット販売サイトのマイチケット上は全て「入場不可/無効」と表示され、券面をダウンロードできなくなっている。現在はメンテナンス中のため18日の正午以降に確認できる。

前日16日、国際パラリンピック委員会(IPC)と日本政府、東京都との4者協議で無観客開催を決めた組織委は「感染拡大の防止を図るためのやむを得ない措置ではありますが、このような状況となったことは大変に残念であり、対象となる会場での観戦を楽しみにしていただいていたチケット購入者の方々には誠に申し訳ございません」と陳謝した。

開催自治体の児童、生徒が都県境を越えない形で実施する学校連携観戦に関しては「共生社会の実現に向けた教育的要素が大きいことに鑑み、保護者等の意向を踏まえて自治体や学校設置者が希望する場合には、安全対策を講じた上で実施できるようにいたします」と理解を求めた。予定されていた枚数は約68万枚あったが、会見した組織委の鈴木秀紀マーケティング局次長によると「半分は大きく下回る。数分の一になるのでは」と減少幅の見通しを語った。

実施に当たっては、緊急事態宣言下の政府の大規模イベント開催基準である「収容定員の50%以内」か「上限5000人」を守った集客になる。国立競技場など本来であれば3万人を超える予定だった会場も、基準内に収まる案内が各自治体にされている。