IPC(国際パラリンピック委員会)広報責任者のクレイグ・スペンス氏は25日、都内のメインプレスセンターで行った会見で、24日の東京パラリンピック開会式で、車いすに乗って「片翼の小さな飛行機」として物語の主人公を演じた和合由依さん(13)を「日本に由依ちゃんというスターが生まれた」と絶賛した。

和合さんは演技経験はないが、5000人以上が参加したオーディションで選ばれたという。スペンス氏は「多くの日本人の心を捉えたと思う。私も涙、涙で恥ずかしいくらい泣きました。素晴らしい開会式だった」と興奮気味に話した。

また、スペンス氏は開会式制作の過程についても一部明かした。「3年間、式典制作チームとやりとりしていた。2~3カ月おきにミーティングして詳細を詰めてきた。チームの変更もあり、3カ月前に(契約)調印したが、彼らは素晴らしい仕事をしてくれた。我々の指摘にも対応してくれた。素晴らしかった」と話した。

五輪では事前公表した式典制作チームメンバーの過去の問題への批判が相次ぎ、開幕直前に辞任や解任に追い込まれた。パラリンピックでは同様の混乱を避ける思惑があったとみられ、式典制作チームメンバーは事前公表されなかった。