今大会出場全4種目でメダルを獲得している男子の鈴木孝幸(34=ゴールドウイン)が、最後の50メートル自由形(運動機能障害S4)決勝で37秒70で銀メダルを獲得。大会前の宣言通り、今大会で出場する個人5種目すべてでメダル(金1、銀2、銅2)を手にした。

午前中の予選で38秒25をマークして全体1位で通過。使ったエネルギーは「8割5分から9割」と余力は十分で、「金メダルを狙いたい」と話していた。目標にあと一歩届かなかったが「金メダルを取りたかったのが正直なところ。今は悔しいというのもありますが、全種目メダルの目標を達成できたのはうれしい」と振り返った。

決勝レースは後半3番手から猛然と追い上げ、最後は優勝したライバルのダダオン(イスラエル)に迫った。「正直言うとスタートが少し滑ってしまったので、飛び込んだときに“しまったな”思ったけど、あきらめずに全力で泳いだ。37秒台を出せたのはスタートのわりには、後半の伸びが良かったからだと思う」と納得顔だった。

◆夏季パラリンピックの日本勢1大会最多メダル 04年アテネ大会競泳女子の成田真由美の8個が最多。個人種目6個と4×50リレーで計7個の金メダルを獲得し、4×50メドレーリレーでも銅メダルを手にいた。金7個も日本勢の1大会最多金メダル記録。成田は00年シドニー大会でも金6、銀1の計7個のメダルを獲得している。冬季では18年平昌大会アルペンスキー女子の村岡桃佳の5個(金1、銀2、銅2)が最多。成田(競泳)、村岡(陸上車いす)ともに今回の東京大会に出場したがメダルには届かなかった。