競泳で悲願の金メダルを獲得した木村敬一(30=東京ガス)が4日、感動を振り返った。男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)で優勝した後「この日が来るとは思わなかった」と話したが、一夜明けても「ほとんど寝ていないので『この日』が続いている感じです」と言って笑わせた。

前夜は米ボルティモアで指導を仰ぐロヨラ大のブライアン・レフラーコーチに電話で報告、同大で一緒に練習する今大会女子400メートル自由形(運動機能障害S7)金メダリストのコーン・マッケンジー(米国)からも選手村で祝福された。国内外から多くのメールも届き「見ていたら、深夜になっていた」と話した。

また、アフガン紛争で失明しながらリオ大会3冠に輝き、木村の金メダル獲得を阻んだブレッド・スナイダー(米国)もツイッターで祝福。木村に自身のコーチを紹介し、米国行きを橋渡し、今大会はトライアスロンで金メダルを獲得したライバルは「私は彼の努力を知っている。彼を誇りに思う」とコメントした。

木村に次いで銀メダルの富田宇宙(32=日体大大学院)も、友人たちからのメールに感謝。男子400メートル自由形で200メートルでのラップタイムが高校時代のラストレースで出した200メートルの記録と同じだったことを伝えられ「すごいと言ってもらえ、うれしかった」と話した。

木村は次の「この日」について「そんな簡単に次の目標は見つからない。もうちょっと(金メダルに感激に)浸らせてください」。富田は競技続行と視覚障がい者スポーツ研究のため、早ければ11月にもスペインに渡ることを明かした。