【ベルリン(ドイツ)=山本幸史】日本は予選タイムで9位に終わり、1回戦進出を逃した。タイムは43秒416だった。この結果、五輪ポイントでポーランドとロシアに逆転されたため、同種目でのオリンピック(五輪)出場を逃した。

誤算だった。昨年12月に、日本記録42秒790をマークした1走雨谷一樹、2走新田祐大、3走深谷知広(いずれも日本競輪選手会)の最強布陣の参戦。だが、スタート後、雨谷と新田との距離が開くと、その差が詰まらない。今季、何度もタイムを縮めてきた深谷でも、挽回できなかった。

雨谷は「正直(1回戦の)2回目の方がタイムが出るので…。予選で42秒台を出したかった」と、予選敗退に悔しさをにじませる。深谷も「チーム種目なので、全員が合わないと、力は発揮できないと思う。自分のやれることはやれた。他の国のタイムを見ても、自分たちも出せなくはなかった。ただ、そこに向けて仕上げられなかった」と肩を落とした。短距離チームを率いるブノワヘッドコーチ(46)は「がっかりな結果だ。ただ、選手に対しての信頼は変わらない。この失敗の責任は私が負う」と選手をかばった。

今季2個のW杯金メダルと日本記録で一気に飛躍した種目。最後の最後で五輪出場を逃したのは、日本勢には痛手だ。今後、男子はケイリンとスプリントでそれぞれ1枠ずつを確保する戦いになる。スプリントに挑む深谷は「メダルを獲得すれば、自分も出場できるので」と前を向いた。

▽男子チームスプリント(1)オランダ41秒225(世界新)(2)イギリス42秒400(3)オーストラリア42秒829(9)日本43秒416