BMXフリースタイルの中村輪夢(18=ウイングアーク1st)が、五輪の初代金メダリストになることを誓った。

日本自転車競技連盟(JCF)は9日、来年に延期になった東京五輪代表を発表。昨年のW杯年間優勝などで代表の座を確実にしていた中村だが、正式に決まり「1番になりたい」と意欲を口にした。

17年6月9日、東京五輪の新種目としてBMXフリースタイル・パークの実施が決まった。15歳の中村は「本当にうれしい。注目されることが好きなので」と話した。シニアの大会に出場経験もなかったが、目標は大きかった。あれからちょうど3年。五輪を目指して練習を重ね、W杯優勝、年間王者など世界のトップまで急成長した。

今年1月には、拠点とする京都に専用パークも完成した。新型コロナの影響で大会が次々と中止になり、東京五輪も1年延期。「昨年の勢いのまま、五輪を迎えたかった」と本音ももらしたが、緊急事態宣言の中でも専用パークで練習は続けてきた。「まだ選手の中では若い方なので、この1年で成長できる」と延期を前向きにとらえた。

「輪夢(りむ)」の名前は、BMXショップを経営する父辰司さんが自転車の「リム」からとってつけたもの。その名の通り、中村はBMXで五輪金メダルの夢を目指す。「まだまだBMXは知られていないスポーツなので、東京五輪をきっかけに知ってもらえたらうれしい」。正式に五輪代表に決まって、中村の夢がまた1歩前進した。