東京オリンピック(五輪)金メダル候補が見事な復活だ。

自転車フリースタイル・パーク男子の中村輪夢(19=ウイングアーク1st)が16日、茨城県で行われた国内公式戦ジャパンカップ男子エリート決勝で優勝。昨年9月に負った競技生活を左右しかねない左足かかと骨折の大けがからの完全復帰を果たし、「うれしいよりほっとしている感じ」と笑顔を見せた。

自転車一色の日々が、けがで全く別世界となった。「乗れない時期が本当につらかった」。自転車に乗り始めたのは1月末。何とか、この日、復帰できるまでにこぎ着けた。「いろんな人にサポートしてもらって。今は、けがして良かったと言えるほどに調子がいい」。

優勝が決まった2本目には、初めて大会で披露した大技「720ノーハンド(自分が横に2回転しながら手を離す)」を決めた。「やっと戻ってこれたという感じ」。今後は、6月4日に、フランス・モンペリエで行われる世界選手権に出場予定だ。

ただ、東京五輪は無観客という可能性もある。この競技は観客と一体となるのが醍醐味(だいごみ)で「(無観客なら)それができないのは心苦しい」。それでも「画面の向こうで見てくれていると信じたい」と、19歳は金メダルに挑む。